- お位牌の起源
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起源については諸説あるようです。
代表的な説として、儒教の国中国では、かって、死者の霊の依り所として存命中の位官や姓名を札板に記すという習俗があったようです。
それが日本に伝わり、また仏教で用いられるトーバの形と合わさって、今日の位牌の形になったとされています。
- お位牌の書き方
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このように作らなければならないといった決まりはありませんが、一般には表面に戒名、裏面に俗名、没年月日、享年を記入します。
亡くなった日がすぐ分かるいうことで、表面に没年月日を記入することもよくあります。
白木のお位牌のスタイルを尊重して作らせてもらっていますが、こだわる必要はありません。
戒名の頭に"新帰元"とか"新円寂"とか"遷化"とかの文字が付いていることがあります。
文字通り "仏の世界に旅立たれた" といった意味で戒名を構成する文字でありませんから、位牌を作るときにはカットされます。
名前の下に"事"という字が付いていることがあります。
と書かれていたり
と書かれていることもあります。
どの文字であっても "こと" と読みます。
そのまま使用されますが、省略しても構いません。
後々分かりやすいということで、続き柄を、例えば、○○ノ妻 とか ○○ノ父 とか書かれる方もいらっしゃいます。
無理に書く必要はありませんが、書くとすれば裏面の適当なスペースが利用されます。
- お位牌の種類
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お位牌は、形状と機能により板位牌と繰出位牌(くりだしいはい)に分類することができます。
■ 板位牌 ■
板位牌には、塗り位牌、唐木位牌、白木位牌と3種類あります。塗り位牌には漆や金箔が施されています。
唐木位牌は素材が黒檀とか紫檀とかの銘木によるものです。
白木位牌は塗装のない白木地のままのお位牌で野辺位牌とも呼ばれます。
葬儀の時に準備されるのが白木位牌で、忌明けの49日法要まで家でおまつりします。
人は死して49日間は行き先が定まらない「転生」の期間だという考え方があります。
つまり白木位牌は49日間だけの仮のお位牌で、転生(成仏)したとされる49日法要をもって本位牌である塗り位牌か唐木位牌に作り直すのが習わしとなっています。
塗り位牌には、どの部位に金箔を施すかで、三方金、面金、総金と三つのバリエーションがあります。また、金箔でなく金粉で仕上げたのもあり、この場合は三方粉、面粉、総粉と呼んでいます。
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三方金 台座の前面側面、札の側面が金箔で覆われています。 札の部分は黒です。 このタイプが一番よく使用されています。 | |
面金 台座、札の面取部位に金箔が施されています。 彫刻は金箔で覆われている場合が多いです。 札の部分は黒です。(写真は面粉仕上げです) 派手でなく地味でなくしっとりと落ち着いています。 | |
総金 台座、札の前面側面共に金箔で覆われています。 正面から見ると一見金の'塊'です。 豪華絢爛。「好み」で評価が分かれます。 | |
■ 繰出位牌 ■
通常、屋根と扉が付いて中に6〜10枚の薄木の板が収納されており、これに戒名・法名を墨書します。
古いお位牌がたくさんある場合、ひとつにまとまり便利です。
49日間の白木位牌を経て、板位牌で33年か50年おまつりし、その後繰出位牌に移行するのが標準的な手順ですが、地域や宗旨によっては、49日で繰出位牌に書き写す場合もあります。
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塗り位牌、繰出位牌など金箔の施されたお位牌は、直接手で触ったり、乱暴に擦ると金箔損傷の恐れがあります。取り扱いには充分気を付けてください。
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